第6回 九戸の山伏神楽祭典

刻は一月半ほど遡り、令和元年12月初頭。
九戸村では「第6回 九戸の山伏神楽祭典」が行われておりました。

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岩手県北から青森県南は江刺家神楽系山伏神楽を伝承している団体が多くあり、そこに他系統の山伏神楽も加わるという非常に見応えのある祭典。
この催しは初見でしたが、日程が合いましたので、じっくりたっぷり観てきました。


岩手で山伏神楽というと早池峰系神楽が有名ですが、沿岸の黒森系神楽、そして県北では九戸系神楽などがあるとされています。確かに県内ではどれも有名で見応えのある神楽の系統ですね。
さて、九戸の神楽を観てきた話ですので、簡単にこの地域は九戸系と書いてしまいましたが、県北の神楽の源流としては「中山手」(一戸町中山)と「江刺家手」(九戸郡)の2つの流れがあるといわれているのだそうです。

などという薄い基礎知識を入れておいて、九戸の山伏神楽祭典ですよ。今回地元九戸村からは江刺家神楽、九戸神楽、瀬月内神楽が、隣接する軽米町からは山内神楽が出演しております。どちらも江刺家手の神楽という事でしょう。そのほかに、招待された地域の系統の異なる神楽もあり盛り沢山。
では、順に紹介していきましょう。なお、演目の紹介はパンフレットから拾っていますので、若干変わっているかもしれません。




九戸村立九戸中学校3学年 江刺家神楽「三宝荒神」

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九戸中3年生は、総合的な学習の時間で「ふるさと文化伝承」というテーマから江刺家神楽に取り組んでいるそうです。
今回は三宝荒神を披露しておりました。



白銀四頭権現神楽 壇ノ浦

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八戸から招待された白銀四頭権現神楽では、芝居の演目から取り入れた「壇ノ浦錣引」と「鞍馬」を演じておりました。写真は壇ノ浦の方です。




岩手県立伊保内高等学校郷土芸能委員会 権現舞 注連切り舞 つるぎ舞 盆舞 切り舞

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全国高校生の神楽甲子園に4回目の出場を果たし、神楽伝承奨励賞を受賞した伊保内高校郷土芸能委員会。
先ほどの中学生も素晴らしかったですが、高校生が週2でギッチリ練習している演目は凄いですよ。



山内神楽 盆舞 鶏舞

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九戸村に隣接した軽米町からは山内神楽が登場です。
武甕槌神社に伝わったとされ約420年の歴史があるとされているとのこと。




女鹿神楽 若子舞

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一戸からは女鹿神楽。翁媼が熊野権現に願掛けをしてそれぞれ50歳も若返るという話。初めてみました。なかなか難解です。





鵜鳥神楽 笠松山

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普代村からは鵜鳥神楽です。これは沿岸の黒森系なのでしょうね。
北廻り・南廻りと一年交代で三陸沿岸の村々を巡行する神楽。観たかったんですよ。
芝居仕立ての笠松山を演じました。




九戸神楽 普勝荒神

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火の神様の舞。四方に向きを変えて祈祷舞を踊り、火から災厄を守る踊りだそうです。





瀬月内神楽 鶏舞

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この鶏舞は見応えがありましたね。
動画も載せておきます。






江刺家神楽 権現舞

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トリはいよいよ江刺家神楽です。
この舞手の方が凄く上手で、まあ、引き込まれますわ。
こちらも動画もリンクしておきます。




3時間ぐらいかと踏んでいたのですが、どうしてどうして、5時間たっぷり山伏神楽を堪能してきましたよ。良い時間でした。
それでは、また!

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